「スリックタイヤ 公道」 と言うキーワードがよく検索されるので・・・、
その話でもしておきましょう。
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昔々、MGーFというクルマがありました。
ライトウェイトスポーツカーの普及版として一部で人気のあった幌車(オープンカー)。
エンジンは、ミッドシップ(後ろ側)にある2人乗りの爽快なクルマです。
今でも大切に乗ってる方がいらっしゃいます。
当時、私も所有者の一人として、同じクルマに乗る方々とサークルのような活動をしていました。
そんな、クルマを、頑張って、無理して、レース仕様に仕立て、サーキットを走ったりして楽しんでいた頃。
今思えば、当時何を勘違いしたのか・・・、サーキット用のスリックタイヤを履いて公道を走ってしまいました。
セミスリックという、僅かながらトレッド(というか溝)がありましたので、ドライ路面でもウェット路面でも、ガッツリグリップして、しっかり止まってくれます。
ある梅雨空の日。
「踏切」で一時停止、安全確認して線路内は徐行。
しかし、この踏切、線路部分だけが盛り上がったタイプ。
当然車高も低いクルマはフロントを擦らないように、蛇行走行
しながら通過します。
最後の線路を越えたとき、ついアクセルが・・・。
リアタイヤがツルツルの線路の上に、まだあるのに蛇行しながらアクセル踏めば、綺麗にリアが横に滑ります。
「やばっ!」
思ったときには、既にクルマは進行方向の90度真横を向いてました。
慌ててアクセルを踏み、逆ハンでドリフトするも、そこはスリックタイヤ
あっという間にコントロールを失い、反対側のガードレールに激突。
瞬間的にグリップを失ったと思ったら、次の瞬間にはまたグリップしたりと、オンとオフが急に切り替わるようなタイヤですから、簡単にはコントロールできません。
スリックタイヤは、万全に整備されたアスファルトのサーキットを走るため、1秒を争うためのタイヤです。
一方、公道は、線路もある、歩道の塗装もある、水たまりもある、時には油が広がっている場合も・・・、あらゆる路面状況が考えられる不安定な道。
スリックタイヤは、そんなシーンを想定して作ってないんです。
ですから、そんなタイヤで公道を走ってはいけません!
どんなにドライビングテクニックがあると信じ、自慢しても、何の意味もありませんよ!
さて、そんな不安定な道でも、安全に走れるようにしてあるのが、市販タイヤ。
最近では静寂性、静音性も追究しているタイヤや、ランフラット(空気が抜けても安全に停止できるタイヤ)、ミニバンなどの車高が高いクルマでも左右にフラつきにくいタイヤなど、種類も豊富にあります。
どのタイヤにも言えるのは、クルマが地面と触れている分が、ハガキ4枚分程度の面積しかないという事。
このハガキ4枚分の面積に命を預けられるクルマ(タイヤ)って・・・。
スリックタイヤは横滑りしにくく、ブレーキ性能も非常に高い次元で対応出来るようになっています。
でも、ある限界を超えると、100の性能が、0に近くなる。急にオンとオフが切り替わるタイヤなんです。
その点、市販タイヤは、性能の次元を低く設定している代わりに、オンとオフの切り替わりを徐々にクルマに伝えるように設計されているんです。
だから、不安定な路面でも、安全に走行できるようになっているんですね。
とはいえ、溝がしっかり残っている状態でないと、その性能は発揮出来ません。
あなたのタイヤの溝は、今何ミリあるか知ってますか?
タイヤの安全点検は、どこのお店でも無料でやってくれるでしょうから、ぜひ確認してみてください。
Have a nice Driving! and Enjoy car life!